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2026.07.31IRお知らせ

2026年12月期 第2四半期 決算説明補足資料(テキスト版)

2026年12月期 第2四半期 決算説明補足資料(テキスト版)

株式会社セルシス
証券コード:3663
2026年7月31日

2026年12月期 第2四半期のハイライト

2026年12月期第2四半期は、売上高・営業利益ともに前年同期を大きく上回る水準を達成しました。

成長局面においても営業利益率40%という高い収益性を維持しており、売上成長と高い利益率を両立できていることが、当社事業の成長力と収益力の高さを示しています。

今回の好調な業績を支えたポイントは、主に3つです。

①CLIP STUDIO PAINTの想定を上回る成長と通期業績予想の上方修正

CLIP STUDIO PAINTは、期初計画を上回るペースで成長を続けており、第2四半期までの進捗は期初計画を上回るペースで推移しています。
この実績を踏まえ、2026年12月期の通期業績予想を上方修正しました。
売上高は創業以来初となる100億円を見込んでおり、セルシスにとって新たな成長ステージを迎える節目となる見通しです。

また、中期経営計画(2025-2027)についても、1年前倒しでの達成を見込んでいます。今後は中期経営計画を更新し、成長スピードを維持しながら、さらなる成長に向けた挑戦を進めてまいります。

②サブスクリプションARRは過去最高の増加額を記録 ― 海外展開が成長を牽引

ARRは、第2四半期時点で63億円、前年同期比31%増となり、前年同期比で過去最高の増加額を記録しました。
この成長を力強く牽引しているのが、海外市場におけるユーザー獲得施策です。
グローバルでの認知拡大とユーザー基盤の拡充が着実に進んでおり、海外市場は今後も当社の持続的な成長を支える重要なドライバーになると考えています。
詳細は次ページでご紹介します。

③資本効率を重視した経営と11期連続増配

資本コストや株価を意識した経営への要請が高まる中、当社は売上や利益の成長だけでなく、ROEをはじめとする資本効率も重視した経営を推進しています。
その取り組みの一環として、年間配当予想を38円から50円へ引き上げ、11期連続となる増配の予定です。

当社は、「高成長」と「高還元」を高い次元で両立する企業として、今後も成長投資と株主還元のバランスを重視しながら、中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

サブスクリプションARRの成長が加速

持続的な成長を支える競争優位性

サブスクリプションARRは、単なる右肩上がりではなく、加速度的な成長軌道を描いています。

2026年6月には60億円を突破し、63.1億円に到達しました。前年同月比では約1.3倍となり、高い成長を継続しており、2026年12月末には70億円以上、2030年末までには100億円以上を見込んでいます。

当社では、この成長は一時的な要因によるものではなく、継続的なプロダクト強化、対応プラットフォームの拡充、グローバルマーケティングの積み重ねによって実現した、構造的かつ持続性の高い成長であると考えています。

この成長を支えている主な強みは、以下の3点です。

① 継続的なプロダクト強化

CLIP STUDIO PAINTは、Ver.2.0からVer.5.0まで継続的なアップデートを重ね、機能と製品価値を高めてきました。
継続的な製品進化により、新規ユーザーの獲得だけでなく、既存ユーザーの継続利用も促進し、サブスクリプションARRの成長を支える強固な基盤を構築しています。

② サブスクリプション提供プラットフォームの拡大

CLIP STUDIO PAINTは、まずiPhone版でサブスクリプション提供を開始し、その後、従来から買い切り版を提供していたPC版にもサブスクリプションモデルを導入しました。さらに、Galaxy版、Android版へとサブスクリプションの提供対象を順次拡大しています。

こうした対応プラットフォームの拡充により、ユーザーの利用環境やデバイスの多様化に対応し、新たなユーザー層の獲得とサブスクリプションARRの成長につなげています。

③ グローバル人材を核とした自社マーケティング体制

当社では、グローバル人材を中心とした自社マーケティング体制を構築しています。

各国・地域の市場特性やユーザーニーズに合わせた施策を展開し、海外市場におけるユーザー基盤の拡大を進めています。こうした市場に根差したマーケティング体制は、当社の持続的な成長を支える重要な競争優位性です。

世界には依然として当社製品を利用していないクリエイターが数多く存在しており、市場開拓余地は極めて大きいと考えています。

今後も、新興国向けマーケティングの強化、モバイル向け機能の強化、ユーザーコミュニティの拡充を進めることで、新規ユーザーの獲得と継続利用をさらに拡大してまいります。

これらの取り組みを通じて、サブスクリプションARRの高い成長を継続し、2026年12月の70億円以上、2030年までの100億円以上という目標の実現を目指します。

世界には1.3億人以上のデジタルクリエイターが存在

グローバル市場の拡大を成長機会に

Adobeの調査では、世界には約1.3億人のデジタルクリエイターが存在すると推計されています。一方、2026年6月末時点の当社サブスクリプション契約者数は100万人以上であり、現在の契約者数は、この市場全体から見ればまだ一部にとどまっています。

さらに、この1.3億人は仕事や創作活動を行うプロ・セミプロを中心とした市場であり、その外側には創作体験を楽しむより大きな趣味層が広がっています。当社には、グローバル市場において今後も大きな成長余地があると考えています。

加えて、市場そのものも拡大を続けています。クリエイターエコノミー市場は2014年の14億ドルから2024年には240億ドルへと成長し、2025年には325.5億ドル規模に達する見込みです(CAGR33.1%)。

当社は、こうした市場拡大を追い風に、継続的なプロダクト強化、グローバルマーケティングの推進、コミュニティの拡充を通じて、新たなユーザーの獲得とサブスクリプションARRの成長を目指してまいります。

創立35周年を迎え、さらなる成長へ

これまで、CLIP STUDIO PAINTをはじめとする製品・サービスを通じて、世界中のクリエイターの創作活動を支えてきました。

当社は、中期経営計画で掲げる「CREATOR JOURNEY」(クリエイター ジャーニー)の考え方のもと、クリエイターが創作を始め、作品を発表し、世界とつながっていく創作活動全体を支えるプラットフォームの構築を進めています。

今後も、グローバルなクリエイターエコノミー市場において、世界中のクリエイターの創作活動を支える価値を提供し続けることで、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

目次

セルシスについて

セルシスは、日本発のクリエイター向け創作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」を中心に、グローバルでクリエイタープラットフォームを展開しています。

「CLIP STUDIO PAINT」の累計出荷本数は6,700万本を突破し、ユーザーの80%以上が海外ユーザーです。また、日本の漫画家における利用シェアは95%を誇り、趣味からプロまで幅広いクリエイターに利用されています。

財務面では、中期経営目標としてROE30%以上、営業利益率30%以上を掲げ、収益性と資本効率の向上に取り組んでいます。サブスクリプションARRは63億円を突破し、前年同期比31%増と高い成長を継続しています。

また、株主還元についても継続的に強化しており、2026年12月期は年間配当50円を予定しています。11期連続の増配となる見込みです。今後も事業成長と株主還元の両立を目指します。

セルシスのミッション

セルシスは、クリエイターが作品を生み出し、発表し、ファンとつながりながら活動を広げていく一連の歩みを「CREATOR JOURNEY」と定義しています。

当社は、この「CREATOR JOURNEY」の全体を支える創作インフラを提供し、クリエイターに新たな創作体験を提供することを目指しています。

現在は、作品を制作するためのツールを提供する「CLIP STUDIO PAINT」を中心とするクリエイターサポート分野を強固な収益基盤とするとともに、その顧客基盤を活かしながら、クリエイター活動の場を支えるクリエイタープラットフォーム分野へと事業領域を拡大しています。

今後も、クリエイターの創作活動全体を支えるサービスを充実させることで、世界中のクリエイターに新たな価値を提供するとともに、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

第一の柱の安定成長と、第二の柱による収益の上積み

中長期的な成長に向けて、クリエイターサポート分野を「第一の柱」、クリエイタープラットフォーム分野を「第二の柱」と位置付けています。

第一の柱:クリエイターサポート分野

「CLIP STUDIO PAINT」の提供を中心とするクリエイターサポート分野では、買い切り版からサブスクリプションモデルへの移行を進めるとともに、新興国市場の開拓、ユーザーコミュニティの強化、モバイル端末向け施策の拡充に取り組みます。

これらの施策を通じて、サブスクリプション売上を継続的に拡大し、安定性と予測可能性の高いストック型の収益基盤による持続的な成長を目指します。

具体的な取り組みについては、以下のページをご参照ください。

P.38「新規ユーザー獲得に向けたグローバル展開での取り組み」
P.39「若年層やライト層の新規ユーザー取り込み・モバイル端末施策」

第二の柱:クリエイタープラットフォーム分野

クリエイタープラットフォーム分野では、新たなサービスを継続的に展開し、中長期的な売上成長の上積みを目指します。

当面はユーザー基盤の拡大を優先し、本格的な収益貢献は2028年12月期以降を想定しています。長期的には、クリエイターサポート分野と並ぶ収益の柱へ成長させることを目指します。

1. 2Q 決算概況

2026年12月期第2四半期業績



売上・利益ともに前年同期比・期初計画比で増収増益を達成

2026年12月期第2四半期は、売上高・営業利益ともに前年同期および期初計画を上回り、増収増益を達成しました。

売上高

売上高は55.6億円となり、前年同期比17.4%増、期初計画比10.9%増となりました。

サブスクリプション売上は30.4億円となり、前年同期比28.3%増と高い成長を継続しています。ARRの拡大に加え、新興国マーケティングやモバイル向け施策が寄与し、ストック収益基盤は着実に成長しています。
買い切り版についても、2026年3月に実施したCLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップ(Ver.5.0)の効果や販促施策が好調に推移し、期初計画を上回る売上となりました。

利益

営業利益は22.2億円となり、前年同期比44.8%増、期初計画比39.0%増となりました。
営業利益率は39.9%となり、期初計画の31.9%から8.0ポイント改善しました。
利益の増加は、売上高の伸長に加え、外注費や広告宣伝費を中心とした費用が計画どおりに推移したことによるものです。

営業利益以下の各利益についても、前年同期および期初計画を上回り、すべての利益段階で増益を達成しました。

期初計画を上回る進捗

第2四半期時点の業績進捗率は、売上高111%、営業利益139%、経常利益142%、四半期純利益143%となり、いずれも期初計画を上回る水準で推移しました。

この進捗は、サブスクリプション売上の伸長に加え、CLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップ(Ver.5.0)の効果や販促施策により買い切り版の販売が想定を上回って推移したことによるものです。

なお、2Qまでの業績の進捗を踏まえ、2026年12月期の通期業績予想を上方修正しました。

売上高・営業利益ともに増収・増益が継続

四半期ごとの売上高・営業利益の推移を示しています。

当社は、3月に実施するCLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップや、それに伴う販促キャンペーンの効果により、例年、売上高・営業利益ともに上期(第1・第2四半期)の構成比が高くなる傾向があります。

2026年12月期もこうした季節性がある一方、第2四半期までの売上高・営業利益は、前年までの推移と比較して高い水準で進捗しています。特に営業利益については、サブスクリプション売上の拡大を背景に、第2四半期までの利益進捗が大きく伸長しており、収益力の向上が表れています。

なお、2Qまでの業績の進捗を踏まえ、2026年12月期の通期業績予想を上方修正しており、2026の売上および営業利益の通期計画は修正後の数字となっています。

サブスクリプションARRをはじめ、主要KPIは順調に拡大

当社が最も重視しているサブスクリプションARRは、前年同期比30.7%増の63.1億円となり、過去最高を更新しました。チャーンレート(解約率)も4.9%と、目標としている5%以下の水準を維持しており、サブスクリプション事業は高い成長と安定した収益基盤の両立が進んでいます。

また、主力製品「CLIP STUDIO PAINT」の累計出荷本数は前年同期比27.5%増の6,704万本に達し、海外ユーザー比率も83.0%まで拡大しました。グローバル市場におけるユーザー基盤は着実に拡大しており、今後のサブスクリプション成長を支える基盤は一段と強固になっています。

さらに、クリエイタープラットフォーム分野で取り組んでいる、クリエイター活動の場を提供するプラットフォームサービスの利用者数は、前年同期比24.7%増の1,308万人となりました。創作活動全体を支えるサービスの利用が着実に拡大しており、将来の成長を支える基盤づくりも順調に進展しています。

2. 今後の見通し

2Qまでの好調な進捗を踏まえ、通期業績予想を上方修正

第2四半期までの業績は、サブスクリプション売上の拡大に加え、新興国向けマーケティングやモバイル向け施策の成果、メジャーバージョンアップ(Ver.5.0)の効果などにより、期初計画を上回る進捗となりました。

これらの状況を踏まえ、2026年12月期の通期業績予想を上方修正しました。

売上高

売上高は、期初計画比8.5%増となる108.1億円へ上方修正しました。創業以来初めて100億円を超える見込みです。

また、サブスクリプション売上についても、期初計画比5.5%増の64.5億円へ上方修正し、ストック収益基盤のさらなる拡大を見込んでいます。

利益

営業利益は、期初計画比20.6%増、前期比34.8%増となる40.0億円を見込んでいます。

CLIP STUDIO PAINTの限界利益率は約90%となっており、売上増加が利益増加となることに加え、外注費などの原価および広告宣伝費などの販管費が計画通りに推移する見込みです。

営業利益率は37.0%となる見込みで、前期比5.7ポイント、期初計画比3.7ポイントの改善を見込んでいます。

今後、特別損失などの予定はなく、当期純利益についても、前期および期初計画を上回る水準を見込んでいます。

ROE

重要な経営指標としているROEは、期初計画比10pt以上増、前期比14.5pt以上増となる、50%以上を見込んでいます。

今回の業績予想は、第2四半期までの進捗や今後の事業環境を踏まえて保守的な前提で算出しています。今後も事業進捗に応じて、必要に応じた業績予想の見直しを適切に行ってまいります。

修正後計画に対しても順調な進捗

修正後の通期業績予想に対する第2四半期時点の進捗率は、売上高51%、営業利益56%、経常利益56%、四半期純利益56%となり、売上高・各段階利益ともに計画に沿って順調に推移しています。

当社は例年、3月のCLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップや販促施策の効果により上期の売上構成比が高くなる傾向がありますが、今回の修正後計画についても、こうした季節性や今後の事業環境を踏まえて策定しています。

今後も事業進捗に応じて業績予想の修正が必要と判断した場合には、速やかに開示してまいります。

サブスクリプションと買い切り版がともに成長し、売上拡大を牽引

2026年12月期の期初計画では、サブスクリプションへの移行を前提として、買い切り版の売上高を前年の85%程度と見込んでいました。

しかし、第2四半期までの実績は、CLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップ(Ver.5.0)の効果や各種販促キャンペーンにより、買い切り版の販売が想定を上回って推移しました。

一方で、買い切り版の売上が伸長する中でも、サブスクリプションは、新興国向けマーケティングやモバイル向け施策などが寄与し、安定して成長を維持しております。

こうした状況を踏まえ、通期業績予想では、サブスクリプション売上を64.5億円、買い切り版売上を32.4億円へそれぞれ上方修正しました。

サブスクリプションによる継続的な成長に加え、買い切り版の需要も拡大しており、両方の販売モデルが同時に成長していることが、今回の売上高上方修正の大きな要因です。

今後も、サブスクリプションの安定成長を軸としながら、メジャーバージョンアップや販促施策を通じて買い切り版の販売機会も着実に捉え、双方の成長による売上拡大を目指してまいります。

中期経営計画を1年前倒しで達成見込み

2027年12月期計画は上方修正を視野に見直しを検討

今回の通期業績予想の上方修正により、2026年12月期の売上高は108.1億円、営業利益は40.0億円となる見込みです。

これにより、中期経営計画で2027年12月期の目標として掲げていた売上高107億円、営業利益33億円を、1年前倒しで達成する見込みとなりました。

また、ROEについても、中期経営計画で掲げた30%以上を大きく上回り、2026年12月期は50%以上となる見込みです。

このような業績の進捗を踏まえ、中期経営計画最終年度である2027年12月期の計画については、上方修正を視野に見直しを検討しています。今後の事業進捗を踏まえ、必要に応じて見直しを行ってまいります。

高い収益性を維持しながら成長投資を継続

当社は、中期経営計画期間を通じて、30%以上の営業利益率を維持する方針のもと、事業成長に必要な投資を一定規模で安定的に実施していきます。

また、広告宣伝費についても売上高比14~16%を目安として運用し、収益性と成長投資のバランスを重視した経営を継続します。

定期的なメジャーバージョンアップが持続的な成長を支える

CLIP STUDIO PAINTでは、2023年以降、定期的なメジャーバージョンアップを実施し、製品・サービス価値の向上に合わせて価格を見直す事業モデルを確立しています。

その取り組みの一環として、2026年3月にはメジャーバージョンアップとなるVer.5.0を全世界で提供開始しました。あわせて、サービス価値の向上に合わせ、買い切り版の価格を平均約10%引き上げています。

CLIP STUDIO PAINTは、2012年の提供開始以降、約10年間にわたり買い切り版の機能アップデートを無償で提供してきました。現在は、定期的なメジャーバージョンアップを通じて継続的に新たな価値を提供し、その価値を適切に価格へ反映することで、持続的な成長を実現する事業モデルへと進化しています。

Ver.5.0は世界中のユーザーから高い評価を受け、買い切り版の販売は当初の想定を上回って伸長しました。また、サブスクリプション契約者数も着実に増加しており、定期的なメジャーバージョンアップによる製品価値の向上と価格改定が、今回の好業績を牽引する要因となりました。

今後も、ユーザーニーズや新たなコンテンツ表現、デバイス・制作環境の進化に対応した機能追加・改善を継続し、定期的なメジャーバージョンアップを実施していきます。サブスクリプションを事業成長の軸としながら、買い切り版を求めるユーザーの需要にも応えるとともに、サービス価値の向上に応じた価格改定を通じて、持続的な事業成長を実現してまいります。

財務活動の3つの目標

当社は、高い資本効率の維持、株主還元の充実、企業価値の適正な評価の実現を財務戦略の基本方針としています。

また、50億円から60億円を目安に、キャッシュを過度に積み上げることなく、事業成長への投資と株主還元を積極的に実施し、資本効率を重視した経営を継続してまいります。

ROE30%以上を継続

中期経営計画においてROE30%以上の継続を目標として掲げています。

今後も、株価や資本コストを意識した経営を推進し、高い資本効率を維持することで、企業価値の向上を目指します。

株主還元を継続的に強化

事業成長への投資と株主還元のバランスを重視しています。

これまで自己株式を累計65億円取得するとともに、2026年3月には150万株を消却しました。今後も自己株式の保有割合10%程度を目安に、段階的な消却を検討していきます。

また、今期は中間配当2円の増配と創立35周年記念配当10円を実施し、株主還元をさらに強化しています。

TOPIX構成銘柄への継続採用を目指す

当社は2024年10月よりTOPIX構成銘柄となっています。

2026年10月に予定されている構成銘柄の見直しに向け、企業価値を適正に評価いただくことを目的に、IR活動の強化や資本政策を推進し、TOPIX構成銘柄への継続採用を目指します。

増収増益を背景に年間配当予想を50円へ引き上げ

11年連続増配を予定

今回の業績予想の上方修正を踏まえ、年間配当予想を50円(中間20円、期末20円、創立35周年記念配当10円)へ引き上げました。

期初は、プライム上場記念10円を含んだ前年実績の36円を超える、年間38円を予定していましたが、中間配当を2円増額するとともに、期末には創立35周年記念配当10円を実施する予定です。これにより、前期比12円増配となる見込みです。

当社は11年連続の増配を予定しています。

今後も業績の拡大に合わせて安定的かつ継続的な増配を目指し、企業価値の向上と株主還元の充実に努めてまいります。

3. 事業環境

AIテクノロジーへの取り組み

クリエイターの権利を尊重することを最優先に製品開発を推進

当社は、10年以上前からクリエイターの創作活動を支援する分野でAI技術の研究開発を継続しています。

その一方で、当社が最も大切にしているのは、クリエイターの権利を尊重し、創作活動に関わる倫理的な課題に対応することです。この考え方は、創業以来一貫した製品・サービス開発の基本方針であり、AI技術の活用においても変わることはありません。

そのため、CLIP STUDIO PAINTでは、クリエイターの創作活動や制作効率の向上につながるAI技術の活用を行っています。一方で、現時点では画像生成AIを用いた機能の搭載は見送る方針としています。

AIはクリエイターに代わるものではなく、クリエイターの創作活動を支える技術であるという考えのもと、今後も、研究開発を継続し、クリエイターに寄り添った製品・サービスの提供に取り組んでまいります。

こうした姿勢が、世界中のプロクリエイターから趣味で創作を楽しむ方まで幅広いクリエイターの皆様からの信頼につながり、CLIP STUDIO PAINTのブランド価値を支える重要な要素になっていると考えています。

AIネイティブな経営体制を推進

サービス品質の向上と業務効率化にAIを積極活用

当社は、AIテクノロジーを全社で活用できる体制を構築し、AIネイティブな経営体制への移行を推進しています。

経営管理業務では、情報整理や資料作成をはじめとするさまざまな業務にAIを活用し、業務効率の向上と属人化の低減に取り組んでいます。

開発・テスト業務においてもAIの活用を進め、開発スピードと生産性の向上を図っています。これにより、市場やユーザーニーズの変化に迅速に対応できる開発体制を強化するとともに、開発コストの効率化につなげています。

カスタマーサポートでは、グローバルかつ多言語で寄せられる問い合わせへの初動対応などにAIを活用し、対応の迅速化とサポート品質の向上を進めています。

今後もAIテクノロジーを積極的に活用し、組織全体の生産性と競争力を高めながら、高い収益性を支える効率的な経営体制の構築を進めてまいります。

当社は、AIに代替されない価値提供を軸とした事業構造を確立済み

CLIP STUDIO PAINTは、AIでは代替されない「創作体験」そのものの価値を提供

生成AIが急速に拡大した2023年以降も、CLIP STUDIO PAINTのユーザー数と売上高は継続して成長しています。これは、当社が提供する価値が、単に画像を完成させるための機能だけではないことを示しています。

CLIP STUDIO PAINTの利用者の約90%は、趣味やハイアマチュアとして創作活動を楽しむクリエイターです。こうしたユーザーは、完成した画像を得ることだけを目的としているのではなく、自ら描く楽しさや、スキルが向上する喜び、作品を発表して共感を得る体験など、創作の過程そのものに価値を感じて、当社の製品・サービスを利用しています。

生成AIが今後さらに進化しても、人が自ら表現し、試行錯誤しながら作品を生み出す「創作体験」の価値は、AIによって代替されないものと考えています。

また、生成AIの普及をきっかけに、これまで創作に接点のなかった人がコンテンツ制作に関心を持ち、自ら描くことや表現することへと関心を広げる可能性もあります。その意味では、生成AIの拡大が、創作人口やクリエイター市場の裾野を広げる機会になることも期待しています。

当社は今後も、AIでは代替されにくい創作体験の価値を高め、世界中のクリエイターに選ばれる製品・サービスを提供してまいります。

日本のエンタメコンテンツの世界展開が、当社の成長機会を拡大

グローバルなクリエイター人口の増加を追い風に、ユーザー基盤の拡大を目指す

アニメやコミックをはじめとする日本のエンタメコンテンツは、Netflix、Amazon Prime Video、Crunchyroll、Webtoonなどのサービスを通じて、世界中に広がっています。

日本発のコンテンツに触れるユーザーが増えることで、創作活動に関心を持つ潜在的なクリエイターが刺激を受け、その中から実際に制作を始める人が増えていくと考えています。

こうしたグローバルなクリエイター人口の増加は、イラスト、マンガ、アニメーション制作を支援するCLIP STUDIO PAINTにとって、大きな成長機会です。当社は、世界中で創作活動を始めるユーザーとの接点を広げ、CLIP STUDIO PAINTのユーザー基盤のさらなる拡大につなげてまいります。

また、日本政府は、コンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、2033年までに海外売上高を20兆円規模へ拡大する目標を掲げています。コンテンツ関連企業の海外展開を支援する施策も進められており、日本のエンタメ・クリエイティブ産業のグローバル展開は、今後さらに加速することが期待されます。

CLIP STUDIO PAINTは、コンテンツを生み出すクリエイターの制作活動を支えるツールです。日本発コンテンツの世界展開と、それに伴うクリエイター市場の拡大という追い風を、当社の持続的な成長につなげてまいります。

株主の皆様へ

株主・投資家の皆様との継続的な対話を重視

適時・適切な情報開示を通じて企業価値向上を目指す

当社は、株主・投資家の皆様との継続的な対話を重視し、決算説明に加えて、事業進捗やIR情報を継続的に発信しています。

■ 月次事業進捗レポート

株主・投資家の皆様に、四半期決算だけでは伝わらない事業の変化を、毎月継続的に開示しています。ARR(年間経常収益)、チャーンレート、プラットフォーム利用者数、全社売上などの重要な指標を継続的に開示し、事業の状況をわかりやすくお伝えしています。

■ 株主優待制度

当社事業への理解をより深めていただくことを目的として、200株以上保有の株主様を対象に、CLIP STUDIO PAINT EXをご利用いただける株主優待制度を設けています。製品を実際に体験していただくことで、当社サービスへの理解を深めていただける独自の株主還元制度です。

■ IRアンケート

IR活動の改善や経営への参考とするため、株主・投資家の皆様からご意見・ご要望をお寄せいただくIRアンケートを実施しています。いただいたご意見は、今後の情報開示やIR活動の充実に活用しています。

■ IRメールマガジン

決算情報や月次事業進捗レポート、ニュースリリースなどの最新情報をタイムリーにお届けするため、IRメールマガジンを配信しています。
今後も、株主・投資家の皆様との対話を大切にし、わかりやすく透明性の高い情報開示に努めることで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

参考資料

参考資料① 中期経営計画の進捗状況

サブスクリプション売上の拡大により、安定した収益基盤を強化

中期経営計画2025-2027において、2027年12月期にサブスクリプション売上を全体売上の約3分の2(69%)まで高め、安定した収益構造への転換を進める方針を掲げています。

2026年12月期第2四半期時点では、サブスクリプション売上の構成比は54.6%まで拡大しており、中期経営計画の達成に向けて順調に進捗しています。また、ARRは63億円まで成長し、チャーンレートも4.9%と目標である5%以下を維持するなど、安定した収益基盤の強化が着実に進んでいます。

サブスクリプション契約数の拡大に加え、既存ユーザーに継続してご利用いただくことで、収益の安定性と予見性が高まり、高い収益性を支える事業基盤の強化につながっています。

今後も、CLIP STUDIO PAINTをはじめとする製品・サービスの継続的な価値向上を通じてサブスクリプション契約数とARRの拡大を図り、中期経営計画の達成と、その先の持続的な成長につなげてまいります。

株主・投資家と目線を合わせた経営体制を構築

ガバナンス体制の強化を通じて、持続的な成長と企業価値向上を目指す

株主・投資家の皆様と目線を合わせ、中期経営計画の達成と、その先のさらなる事業拡大・収益向上を実現するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化と経営改革を進めています。

主な取り組みは、役員報酬制度の見直し、経営体制の若返り、IR体制の強化の3点です。

役員報酬制度の見直し

株主・投資家と経営陣の利害をより一致させるため、2025年12月末をもって役員退職慰労金制度を廃止しました。

今後は、経営陣の報酬について、株式報酬比率の向上や業績連動報酬の導入・拡充を進め、中長期的な企業価値向上に対する経営陣のコミットメントを一層高めてまいります。

経営体制の若返り

持続的な成長を担う次世代の経営人材を計画的に育成し、経営体制の若返りを進めています。

経営幹部の後継者育成に加え、次世代人材への戦略的な役割の移行、マネージャー候補となる人材の採用強化、若手人材の採用・育成などを通じて、将来の事業成長を支える組織基盤を強化しています。

IR体制の強化

当社では、機関投資家やアナリストの皆様との対話に経営陣が積極的に参加し、そこで得られた意見や評価を経営にフィードバックしています。

2026年12月期第1四半期決算後の機関投資家・アナリストとの面談件数は前年同期比75%増加しました。また、機関投資家との面談は前年同期比88%増加しています。

投資家との対話を通じて得た市場の視点を、事業戦略の策定や経営上の意思決定に反映させるとともに、その内容を社内の重要会議でも共有し、経営の質の向上につなげています。
今後も、株主・投資家の皆様との対話を重視し、ガバナンス体制と経営体制の継続的な強化を通じて、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。

持続的な成長を支える、多様で専門性の高い人材基盤

CLIP STUDIO PAINTを中心とする自社製品・サービスの企画、開発、運営を支えるため、専門性と多様性を備えた人材基盤の強化に取り組んでいます。

2026年6月末時点の従業員数は255名で、このうちエンジニアが52%を占めています。企画・開発を自社で行う体制を構築しており、継続的な製品・サービスの価値向上を支える重要な基盤となっています。

また、海外ユーザーの拡大に対応するため、日本に在住する40名以上のグローバル人材が在籍し、従業員全体の17%を占めています。世界各地域に向けたマーケティングや多言語でのユーザー対応を自社で行うことで、各市場のニーズを迅速に把握し、サービス品質の向上につなげています。

年齢構成では20代と30代が全体の67%を占めており、若手人材が中心となって事業成長を支えています。また、女性の一般管理職割合は36%となっており、多様な人材が活躍できる組織づくりを進めています。

今後も、専門人材の採用・育成と多様な人材が能力を発揮できる環境整備を通じて、グローバルな事業成長を支える組織基盤を強化してまいります。

参考資料① クリエイターサポート分野(拡大フェーズ)

CLIP STUDIO PAINTの、サブスクリプション契約者数とARRの持続的な成長を目指す

CLIP STUDIO PAINTを中心とするクリエイターサポート分野において、サブスクリプション契約者数の増加とARRの持続的な成長を実現するため、3つの重点施策を推進しています。

① グローバル展開の強化による新規ユーザーの獲得

海外市場では、北米や欧州・韓国といった需要の高い地域に加え、とりわけ成長余地の大きい新興国にもマーケティング活動を強化し、CLIP STUDIO PAINTの認知拡大と新規ユーザーの獲得を進めています。

② 若年層・ライトユーザーの取り込みによるユーザー層の拡大

これから本格的な創作活動に取り組みはじめる若年層やライトユーザーにも利用していただけるよう、モバイル端末を含む様々なデバイスでの使いやすさや機能の向上に取り組んでいます。

③ ユーザーコミュニティの強化による継続利用率の向上

CLIP STUDIO PAINTを利用するクリエイターの創作活動を支援するサービスやコミュニティの充実を通じて、製品・サービスの継続的な利用を促進しています。

これらの施策により、新規ユーザーの獲得、ユーザー層の拡大、継続利用率の向上を進め、サブスクリプション契約者数とARRの持続的な成長を目指してまいります。

サブスクリプションモデルを推進し、安定した収益基盤を拡大

CLIP STUDIO PAINTでは、中長期的な安定した収益基盤の拡大を目的として、サブスクリプションモデルの提供を推進し、契約者数の拡大に注力しています。

サブスクリプションモデルは、ユーザーが少ない初期費用で利用を開始しやすく、当社にとっては継続的な収益につながることから、中長期的な事業成長を支える重要なビジネスモデルと位置付けています。

一方で、買い切り版についても継続して提供しています。買い切り版は、販促キャンペーンなどを通じて、新規ユーザーとの接点を広げる役割を担うとともに、一括購入を希望するユーザーのニーズにも応えられるメリットがあります。また、買い切り版ユーザーは、バージョンアップ料金を支払うことで、新機能を利用することができるモデルとなっており、当社の収益向上にも寄与しています。

近年のメジャーバージョンアップでは、買い切り版については製品価値の向上に合わせて価格を見直す一方、サブスクリプションの価格は据え置いています。これは、より多くのユーザーにサブスクリプションを選択いただき、中長期的な安定した収益基盤の拡大につながる期待があります。

このように、当社はサブスクリプションへの移行を推進しながらも、買い切り版を求めるユーザーにも継続して価値を提供することで、多様なユーザーニーズに応えながら、持続的な成長と安定した収益基盤の拡大を目指しています。

今後も、サブスクリプションと買い切り版、それぞれの特長を活かした製品・サービスの提供を通じて、サブスクリプション契約者数の拡大と安定した収益基盤の強化を進めてまいります。

新興国マーケティングを強化し、グローバルなユーザー基盤を拡大

CLIP STUDIO PAINTの新規ユーザー獲得に向けて、グローバル展開を継続的に強化しています。

既に一定のユーザー基盤を有する欧米、日本、韓国での展開を継続するとともに、現在は人口が多く成長余地の大きい新興国へのマーケティング活動に注力しています。特に、中南米や東南アジアを中心に認知拡大と新規ユーザーの獲得を進めています。

その結果、新興国におけるサブスクリプション契約数は継続して増加しており、2024年6月から2026年6月までの累計契約数は、タイで1.9倍、インドネシアで2.3倍、ブラジルで2.2倍、メキシコで1.9倍に拡大しています。

また、直近1,000万本の出荷本数では、中南米が21%、東南アジアが13%を占めるなど、新興国市場の存在感は着実に高まっています。

マーケティング活動に加え、各国・地域で利用されている主要な決済手段への対応も進めています。中国では銀聯カード、韓国ではNaver Payへの対応など、ユーザーが利用しやすい購入環境を整備することで、各市場における潜在顧客へのリーチ拡大とユーザー獲得の強化を図っています。

今後も、各国・地域の市場特性やユーザーニーズに合わせたマーケティング施策と決済環境の整備を進め、新興国を含むグローバルなユーザー基盤のさらなる拡大につなげてまいります。

モバイル端末向け施策を強化し、若年層・ライトユーザーとの接点を拡大

若年層やライトユーザーを中心に、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で創作を楽しむユーザーが増えていることを踏まえ、モバイル端末向けの施策を強化しています。

スマートフォン向けには、指描きでも簡単に操作できるよう、UI・UXの改善や機能拡充を進めています。また、Motorolaの折りたたみスマートフォンへのプリインストール対応など、端末メーカーと連携した新たなユーザー接点の拡大にも取り組んでいます。

タブレット向けには、対応デバイスの拡充を進めるとともに、各社のAndroidタブレットへのバンドルなど、端末とCLIP STUDIO PAINTを組み合わせた提供施策を推進しています。これにより、端末の購入をきっかけに、より多くのユーザーがCLIP STUDIO PAINTを利用できる環境を整えています。

また、Googleの年次開発者会議「Google I/O」では、CLIP STUDIO PAINTが、Googleの協力を受けながらAndroid大画面デバイスに最適化されたアプリの事例として紹介されました。こうした評価も活かしながら、Android端末における利用体験の向上とユーザー拡大を進めています。

これらの施策により、Android端末におけるCLIP STUDIO PAINTのサブスクリプション契約は増加しており、2026年6月末時点では、前年同月比1.8倍の売上となっており、サブスクリプションARRの成長を牽引しています。

今後も、スマートフォンやタブレットにおける操作性の向上、対応デバイスの拡充、端末メーカーとの連携を進め、若年層・ライトユーザーの取り込みとサブスクリプション契約者数の拡大につなげてまいります。

参考資料① クリエイタープラットフォーム分野(準備フェーズ)

第二の成長の柱となるクリエイタープラットフォーム分野を育成

クリエイターサポート分野に続く第二の成長の柱として、クリエイタープラットフォーム分野の事業拡大に取り組んでいます。

現在は準備フェーズとして、「新規サービスの開発・提供」と「運用中サービスの改善および流通ソリューションの提供」を重点施策として推進しています。

① 新規サービスの開発・提供

クリエイターの創作活動をさらに支援する新たなプラットフォームサービスとして、現在2つの新規サービスの企画・開発を進めています。
これらの新規サービスを通じて、クリエイターとの新たな接点を創出し、クリエイタープラットフォーム分野の拡大につなげてまいります。

② 運用中サービスの改善および流通ソリューションの提供

現在運営している各種プラットフォームサービスについて、ユーザーの利便性やサービス品質の向上に向けた継続的な改善を進めています。
また、流通ソリューションの提供にも取り組んでいます。

これらの取り組みを通じて、クリエイターとの接点をさらに広げるとともに、クリエイタープラットフォーム分野を第二の成長の柱として育成し、持続的な事業拡大と企業価値の向上につなげてまいります。

「作品をつくる」以降のクリエイター活動にも価値を提供

クリエイタープラットフォーム分野を第二の成長の柱へ

クリエイターと、その作品を楽しむオーディエンスの活動の歩みを「CREATOR JOURNEY」と定義し、クリエイターの創作活動を幅広く支援しています。

これまで、クリエイターサポート分野では、CLIP STUDIO PAINTを中心に、クリエイターが作品をつくるためのツールやサービスを提供してきました。

クリエイタープラットフォーム分野では、その支援範囲を作品の完成後にも広げ、クリエイターが安心して自身の作品を発表・販売できる場、自身の創作活動を記録・証明できる場、オーディエンスや他のクリエイターとのコミュニティを形成する場、マネタイズの機会を創出する場など、「クリエイター活動の場」を提供することを目指しています。

こうしたプラットフォームサービスを通じて、クリエイターとオーディエンスの新たなつながりを生み出し、一人ひとりの夢がつながる、より豊かなクリエイターエコノミーの形成に貢献してまいります。

現在、クリエイタープラットフォーム分野は、長期的な成長に向けた準備フェーズにあります。新規サービスの企画・開発を進めるとともに、将来の事業拡大に向けて継続的な投資を行い、クリエイターサポート分野に続く第二の成長の柱として育成してまいります。

1,300万人以上のユーザー基盤を活かし、既存サービスの強化と新規サービスの成長を目指す

当社が提供するクリエイタープラットフォームサービスには、全世界で1,300万人以上のクリエイターが登録しており、CLIP STUDIO PAINTを中心とする大規模なユーザー基盤を形成しています。

既存のプラットフォームサービスでは、CLIP STUDIO PAINTをより便利に活用するための素材マーケットプレイス、描き方や制作ノウハウを共有するサービス、作品を閲覧・発表できるサービス、Q&Aコミュニティなど、クリエイターの創作活動を幅広く支援しています。

また、クリエイターが制作した作品の活用を支援するサービスとして、編集者とクリエイターをつなぐ「モチコミOnline」や、漫画賞への応募を支援するサービスなども提供しています。

これらのサービスを継続的に強化することで、CLIP STUDIO PAINTのサブスクリプション契約者数の増加と継続利用の促進を図るとともに、プラットフォーム利用者数の拡大につなげています。

さらに、このユーザー基盤を、現在開発を進めているクリエイターのマネタイズを支援するサービスおよびユーザーコミュニティを強化するサービスの成長にも活用していく方針です。

今後も、既存サービスの改善と新規サービスの開発・提供を通じて、クリエイターとの接点を拡大し、クリエイタープラットフォーム分野の収益成長につなげてまいります。

2つの新規プラットフォームサービスを開発中

第二の成長の柱として、長期視点で事業を育成

当社は、クリエイタープラットフォーム分野を第二の成長の柱として育成するため、2026年以降のリリースに向けて、2つの新規プラットフォームサービスの企画・開発を進めています。

① クリエイターのマネタイズを支援するサービス

クリエイターが自身の作品をより多くの人へ届け、ファンの獲得から企業案件、マネタイズまでを総合的に支援する新たなプラットフォームサービスです。
クリエイターの知名度向上やファンからの支援、マネタイズ機会の創出に加え、IP事業者とクリエイターをつなぐ仕組みの提供も検討しています。
創作活動を通じた収益化は、多くのクリエイターにとって大きな課題の一つです。本サービスを通じてその課題の解決を支援するとともに、グローバルなクリエイターエコノミーの発展に貢献することを目指しています。
本サービスは2026年以降の提供開始を目指して開発を進めていますが、現中期経営計画期間中の収益化は見込んでいません。まずはプラットフォーム利用者の拡大を優先し、2028年以降の収益化を目指して長期的に育成していく方針です。

② ユーザーコミュニティを強化するサービス

世界中のクリエイター同士が交流できる新たなコミュニティサービスの企画・開発を進めています。
グローバルでコミュニティを活性化し、クリエイター同士が刺激を受けながら創作意欲を高められる環境を提供することで、CLIP STUDIO PAINTをはじめとするサービスの継続利用促進にもつなげていきます。
本サービスについても2026年以降の提供開始を目指していますが、現中期経営計画期間中の収益化は見込んでいません。まずはユーザー基盤の拡大を優先し、長期的な視点で事業を育成していく方針です。
これら2つの新規サービスについては、具体的なサービス内容やマネタイズ手法について準備が整い次第、順次お知らせしてまいります。

参考資料② サービス概要と活動状況

クリエイターエコノミー市場を新たな成長領域として開拓

これまで培ってきた強みを活かし、事業領域を拡大

これまでクリエイターエコノミー市場において、CLIP STUDIO PAINTを中心とするコンテンツ制作支援と、コンテンツ流通を支援するソリューションの提供を通じて、事業基盤を構築してきました。

今後は、これまで培ってきたクリエイターとの接点、1,300万人を超えるプラットフォーム利用者基盤、コンテンツ制作支援のノウハウなどを活かし、クリエイタープラットフォーム分野へ事業領域を拡大してまいります。

当社が事業機会として捉えるクリエイターエコノミー市場には、ファンコミュニティ、オンラインでのコンテンツ販売、スキル提供、クラウドファンディング、イラストや写真の投稿サービスなど、クリエイターの活動を支える多様な領域が含まれます。

これらの関連市場を合算すると、グローバルのクリエイターエコノミー市場は、当社独自の推計で2029年頃に46兆円規模に達すると見込んでいます。海外市場は国内市場の約10倍の規模があると推計しており、グローバルで大きな事業機会が存在すると考えています。

当社は、制作支援を中心とするクリエイターサポート分野を引き続き成長させるとともに、現在企画・開発を進めているクリエイターのマネタイズ支援サービスやユーザーコミュニティ強化サービスを通じて、クリエイター活動のより広い領域に価値を提供してまいります。

こうした事業領域の拡大を通じて、クリエイタープラットフォーム分野を第二の成長の柱として育成し、グローバルなクリエイターエコノミー市場における事業機会の獲得を目指してまいります。

CLIP STUDIO PAINTは、幅広いクリエイターに支持される創作アプリ

CLIP STUDIO PAINTは、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーションなど、幅広いジャンルの制作に対応したクリエイター向け創作アプリです。

プロフェッショナルから趣味で創作を楽しむ方まで、幅広いクリエイターのニーズに対応できる豊富な機能を備えており、PC、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスで利用できます。

また、サブスクリプションモデルを中心にグローバルで展開しており、世界中のクリエイターに利用されています。

制作支援ペイントアプリとして高い市場評価を獲得

CLIP STUDIO PAINTは、制作支援ペイントアプリとして売上・シェアNo.1を獲得しています。

また、各クリエイター市場においても高い支持を得ており、
・日本国内のマンガ家使用率95%
・日本国内アニメーション制作現場使用率82%
・世界最大級のイラストSNS「pixiv」での使用率63%
となっています。

CLIP STUDIO PAINTは、プロフェッショナルから趣味で創作を楽しむユーザーまで幅広く利用される創作アプリとして、国内外で高い評価をいただいています。

グローバルで幅広いクリエイターに利用されるCLIP STUDIO PAINT

CLIP STUDIO PAINTは、累計出荷本数ベースで世界の6,700万人を超えるクリエイターに利用されています。海外利用率は80%以上で、世界11言語に対応するなど、グローバルで利用しやすい環境を整えています。

利用目的

利用者の約9割は、趣味として創作活動を楽しむユーザーです。一方、約1割は、マンガ家やアニメーション制作者をはじめ、仕事として創作活動を行うプロフェッショナルユーザーです。

プロから趣味で創作を楽しむ方まで、幅広い利用者に支持されていることが、CLIP STUDIO PAINTの安定したユーザー基盤につながっています。

制作ジャンル

制作ジャンルでは、イラスト制作が約9割を占め、マンガやアニメーション制作が約1割となっています。

イラストを中心としながら、マンガ、Webtoon、アニメーションなど幅広い制作ジャンルに対応しています。

利用端末

利用端末の構成は、PCが約6割、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が約4割です。

PCで本格的な制作を行うユーザーに加え、モバイル端末で気軽に創作を始めるビギナーや若年層にも利用が広がっています。

市場でのポジション

創作アプリ市場には、モバイルでの利用に強みを持つアプリや、PCを中心としたプロフェッショナル向けアプリなど、それぞれ異なる特徴を持つ製品が存在します。

市場で流通するほぼ全てのデバイスに対応し、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーションなどのあらゆるジャンルのコンテンツ制作をカバーする、オールインワンの創作アプリはCLIP STUDIO PAINTのみと言え、全てをカバーする直接的な競合は存在しません。

デバイスやコンテンツジャンルを限定した領域で競合するアプリは存在しており、そういったアプリが強みとしている、モバイル端末を利用するビギナー・若年層への展開を重点的に強化します。スマートフォンやタブレットにおける操作性の向上、対応端末の拡充、端末メーカーとの連携などを通じて、新たなユーザー層の獲得とサブスクリプション契約者数の拡大につなげてまいります。

デバイスメーカーとのバンドルを通じて、新規ユーザー獲得とサブスクリプション契約の拡大を推進

モバイル端末向け施策の一環として、デバイスメーカーとのバンドルやプリインストールを通じたCLIP STUDIO PAINTの提供を推進しています。

Wacomをはじめ、SamsungやLenovoなど、グローバルで展開するデバイスメーカーとの連携により、対象端末にCLIP STUDIO PAINTの一定期間利用可能なライセンスを付与し、世界各地域のユーザーへ提供しています。

これにより、ユーザーは端末購入後すぐにCLIP STUDIO PAINTを利用して創作を始めることができます。また、バンドルまたはプリインストールされたライセンスの利用期間終了後は、当社とサブスクリプション契約をしていただくことで継続利用が可能なモデルとなっています。

この施策を通じて、CLIP STUDIO PAINTのグローバルでのブランド認知拡大、新規ユーザーの獲得、サブスクリプション契約者数の増加、若年層へのアプローチ強化を図っています。

今後も、デバイスメーカーとの連携を広げ、バンドルやプリインストールを通じてCLIP STUDIO PAINTを体験する機会を増やすことで、グローバルなユーザー基盤とサブスクリプション収益の拡大につなげてまいります。

世界中の教育機関への提供を通じて、次世代クリエイターの育成を支援

当社は、世界中のクリエイティブ系教育機関へCLIP STUDIO PAINTを提供し、次世代クリエイターの創出・育成を支援しています。

イラスト、マンガ、アニメーションなどのクリエイティブ分野を学ぶ高校、大学、専門学校を中心に、グローバルで導入が進んでおり、2025年12月末時点で466機関へライセンスを提供しています。

また、教育関連団体との連携を通じて、世界各国の教育機関への提供体制の構築や、クリエイターを対象としたイベント、人材育成プロジェクトなどにも取り組んでいます。

こうした活動を通じて、世界中の若い世代がデジタルでの創作に触れ、作品づくりの技術や表現力を身につける機会を提供するとともに、世界のコンテンツ産業を担う次世代クリエイターの育成に貢献しています。

また、教育機関でCLIP STUDIO PAINTに触れたクリエイターが、その後も創作活動を続ける中で当社サービスを継続的に利用いただくことも期待しています。

今後も、世界中の教育機関や教育関連団体との連携を深め、CLIP STUDIO PAINTを通じて、次世代クリエイターの創出・育成を支援してまいります。

アニメーション制作の汎用規格フォーマット「xdts」により、制作環境の改善を支援

当社は、「CLIP STUDIO PAINT」とあわせて、誰でも自由に利用できるオープンなアニメーション制作の汎用タイムシートファイルフォーマット「xdts」を公開し、アニメーション制作環境の改善を支援しています。

アニメーション制作は、多くの制作会社やクリエイターが分業しながら一つの作品を制作する産業です。一方で、制作会社や工程ごとに利用するツールが異なることから、データ連携や受け渡しが円滑に行えることが重要になってきます。

「xdts」は、こうした異なる制作ツール間でタイムシート情報を共通フォーマットでやり取りできるオープンな汎用規格フォーマットです。制作ツールや工程管理ツールとの連携を支援し、アニメーション制作ワークフロー全体の効率化やデジタル化の推進に貢献します。

当社は今後も、他社製ツールとの連携を深めながら「xdts」の普及を進め、効率的な制作環境づくりを通じて、日本のアニメーション制作の未来を支援してまいります。

「CLIP STUDIO PAINT」の競争優位を支える3つの強み

当社では、「CLIP STUDIO PAINT」の競争優位を支える強みを、大きく3つあると考えています。

1つ目は、30年以上にわたりクリエイターに寄り添い続ける中で培ってきた、独自のグラフィック技術と、アプリの企画・開発・運営に関するノウハウです。

2つ目は、プロクリエイターにも支持される高い機能性を備えながら、幅広いユーザーが利用しやすい価格で提供していることです。多くのユーザーに利用いただくことで、継続的な開発投資を可能にする好循環を実現しています。

3つ目は、全世界1.3億人を対象市場とし、クリエイター同士が作品やノウハウを共有できるグローバルなコミュニティを構築していることです。このコミュニティは、新たなユーザーの創作活動を支えるとともに、サービスの継続的な利用にもつながっています。

これら「専門性」「顧客目線」「スケールメリット」の3つが相互に作用することで、CLIP STUDIO PAINTの競争優位性を支え、持続的な成長につながる事業基盤を構築しています。

30年以上の実績と、幅広い創作ニーズに応える機能が選ばれる理由

当社は、30年以上にわたるグラフィックツールの開発実績と、ユーザーから寄せられる意見や要望をもとに、定期的なアップデートを行っています。こうした継続的な機能改善と、充実したユーザーコミュニティも、CLIP STUDIO PAINTが世界中のクリエイターから選ばれる理由となっています。

CLIP STUDIO PAINTは、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーションなど、幅広いジャンルの作品制作に対応したオールインワンのグラフィックアプリです。

初心者にも使いやすいシンプルなユーザーインターフェースを備える一方で、プロの制作現場にも対応する高度な機能を提供しており、創作経験や利用目的を問わず幅広いユーザーに利用されています。

3Dデッサン人形や3D素材を活用した作画支援機能により、構図やポーズの検討を効率化できるほか、ユーザーが制作・公開した多種多様なブラシや素材を利用することができます。特にブラシ機能では、自然で滑らかな描き味を実現するとともに、4万点以上のブラシを利用できます。

また、Windows、macOS、iPad、iPhone、Androidなど幅広いOSとデバイスに対応しており、PC、タブレット、スマートフォンを通じて、ユーザーの制作環境や利用場面に応じた創作体験を提供しています。

世界中のクリエイターから寄せられた「CLIP STUDIO PAINT」の評価

マンガ家、イラストレーター、海外クリエイター、教育機関など、世界各国で活躍するユーザーの皆様から寄せられた「CLIP STUDIO PAINT」に関するコメントをご紹介しています。

創作ジャンルや利用目的はさまざまですが、「描きやすさ」「制作効率」「豊富な機能」「継続的なアップデート」など、多くのユーザーから高い評価をいただいています。

当社では、決算補足説明資料においても四半期ごとにクリエイターの皆様からいただいたコメントをご紹介しており、実際の利用者の声を通じて、CLIP STUDIO PAINTがどのような価値を提供しているのかをお伝えしています。

今後も、世界中のクリエイターから寄せられるご意見やご要望を製品開発に活かし、創作活動を支えるツールとして進化を続けてまいります。

CLIP STUDIO PAINTのメジャーバージョンアップ(Ver.5.0)の主な機能

2026年3月にリリースした「CLIP STUDIO PAINT Ver.5.0」では、描画機能や3D関連機能の強化に加え、若年層・エントリーユーザー向けの新機能など、多数の機能追加・改善を実施しました。

主な新機能として、曲線や図形を直感的かつ効率的に整えられる「スマートシェイプ」、手のポーズや形状を細かく調整でき、作画の品質と効率を向上させる「3Dハンドモデル」を追加しました。

また、若年層や創作を始めたばかりのユーザーでもアニメーション制作に取り組みやすい「アニメーション制作のシンプルモード」や、自身の創作時間を可視化し、日々の創作活動のモチベーション向上につなげる「制作時間の可視化」機能も搭載しています。

このほかにも、Ver.4.0からVer.5.0までの間に、約400件の機能追加・改善を実施しました。

当社では、30年以上にわたりユーザーの声を取り入れながら継続的なアップデートを重ねており、今後も創作体験の向上と製品価値の向上に取り組んでまいります。

グローバル人材による内製マーケティングを展開

当社は、世界各国に向けたマーケティング活動を、自社のグローバルスタッフを中心に推進しています。

当社には、各地域の言語や文化、商習慣、クリエイターの特性に精通した人材が在籍しており、現地市場の特徴に合わせて、広告表現やプロモーション手法を企画・運用しています。グローバル人材は全社員の17%を占めており、こうした人材基盤が、地域ごとの市場特性に即したマーケティング活動を支えています。

また、マーケティング施策の多くを自社内で企画・実行することで、市場やユーザーの反応を施策に速やかに反映できる体制を構築しています。

主な取り組みは、WEBマーケティング、インフルエンサーマーケティング、イベント・コンテスト協賛の3つです。

WEBマーケティング

言語やデザイン、訴求内容を各国・地域の市場に合わせて最適化し、WEB広告を展開しています。定期的な販売キャンペーンに合わせ、世界中の媒体を通じて、認知拡大と販売促進を図っています。

インフルエンサーマーケティング

世界各国のクリエイターやインフルエンサーと連携し、SNSを通じたプロモーションを展開しています。2025年12月期には年間約1000件のタイアップを実施し、200名以上のグローバルアンバサダーと提携しました。近年は、CLIP STUDIO PAINTを用いた制作過程や機能を紹介するショート動画にも注力しています。

イベント・コンテスト協賛

エンターテインメント分野のイベントへの出展や協賛、イラスト・マンガなどのコンテストへの協賛を行っています。2025年12月期には、20以上の国と地域で年間約60件を実施し、クリエイターとの直接的な接点の拡大に取り組みました。
当社は、デジタル施策とリアルな接点を組み合わせながら、各市場に適したマーケティングを展開し、グローバルでの認知拡大とユーザー獲得につなげています。

世界各地のリアルイベントへの出展・協賛を通じて、クリエイターとの接点を拡大

オンラインでのマーケティングに加え、世界各地で開催されるイラスト、マンガ、アニメーションなどのエンターテインメント分野のリアルイベントへの出展・協賛を行っています。

2025年12月期には、20以上の国と地域で年間約60件のイベントやコンテストに参加しました。2026年4月から6月にかけても、日本、韓国、台湾、タイ、フィリピン、オーストラリア、ドイツ、スペイン、メキシコ、カナダなど、各地域で活動を展開しています。

リアルイベントでは、CLIP STUDIO PAINTを実際に体験いただく機会を提供するとともに、現地のクリエイターやユーザーと直接接点を持つことで、製品認知の向上やユーザーコミュニティの拡大につなげています。

また、イベントへの出展・協賛に加え、現地の教育機関や教育関連団体との連携も進めています。こうした取り組みを通じて、CLIP STUDIO PAINTの認知拡大だけでなく、次世代クリエイターがデジタルでの創作に触れる機会の提供にも取り組んでいます。

今後も、各地域の市場特性やクリエイター文化に合わせた活動を継続し、世界中のクリエイターとの接点を広げてまいります。

直近の主な活動トピックス(2026年4月~6月)

ここでは、2026年4月から6月における主な活動トピックスをご紹介します。当社では、製品開発に加え、教育機関との連携、デバイスメーカーとの協業、クリエイターコミュニティの活性化など、グローバルでさまざまな取り組みを進めています。

① JAXA・講談社「Mission: SPACE COMIC」への技術協力

JAXAと講談社による、宇宙でマンガを描くプロジェクト「Mission: SPACE COMIC」において、CLIP STUDIO PAINTの技術協力を行いました。宇宙空間での創作という新たな挑戦を支援する取り組みです。

② YLAB ACADEMYへの公式制作アプリ導入

韓国最大規模のWebtoon・デジタルコンテンツ創作教育専門機関「YLAB ACADEMY」に、CLIP STUDIO PAINTが公式制作アプリとして採用されました。Webtoon分野における次世代クリエイターの育成を支援するとともに、海外ユーザーの拡大にもつながる取り組みです。

③ Motorolaスマートフォンへのプリインストール

CLIP STUDIO PAINTが、スマートフォン向けとして初めてMotorola端末にプリインストールされ、グローバルで展開されました。モバイル戦略の一環として、新たなユーザー接点の拡大を進めています。

④ グローバルでのコンテスト開催

世界各地でイラスト・マンガコンテストや企業とのコラボレーションによる塗り絵コンテストなどを継続的に開催し、クリエイターとの接点づくりやコミュニティの活性化に取り組んでいます。

手厚いユーザーサポートを通じて、継続的な製品改善を実現

世界中のユーザーに安心してCLIP STUDIO PAINTをご利用いただけるよう、365日年中無休で、グローバルに対応するユーザーサポート体制を構築しています。

ユーザーサポートはすべて自社スタッフが担当しており、日本語、英語、韓国語をはじめとする複数言語で対応しています。

また、サポートを通じて寄せられた問い合わせや改善要望は、社内で独自に開発・運用しているツールにより可視化し、開発部門へ随時共有しています。これにより、ユーザーニーズを迅速に把握し、製品開発へ反映できる体制を構築しています。

ユーザーサポートでは、特に「ありがとう」などの感謝の言葉をいただいて問い合わせをクローズできたかを測る「ありがとう率」や、回答時間を重要なKPIとし、対応品質の向上に取り組んでいます。

こうした取り組みにより、ユーザーの声を継続的な製品改善につなげ、世界中のクリエイターから評価されるアプリの提供を目指しています。

データの可視化とリアルタイム分析により、経営判断を迅速化

事業や経営に関する各種データを可視化し、リアルタイムで分析・シミュレーションできるツールを自社で構築し、経営に活用しています。

売上実績や予測、ユーザー行動、ニーズ、契約状況、社内オペレーションなどのデータを横断的に把握することで、予算管理、顧客分析、投資戦略、コスト管理における意思決定の迅速化と精度向上を図っています。

具体例として、四半期決算期末日から5営業日程度で実績や業績見通しの分析を行い、その結果を毎月の「月次事業進捗レポート」や、必要に応じた業績予想の修正に反映しています。リアルタイムで課題や変化を把握することで、目標達成に向けた対応を速やかに実行できる体制を構築しています。

また、クリエイターサポートや開発から得られるユーザーニーズを分析し、プロモーションの最適化や製品改善に活用しています。投資やコストについても、成長ドライバーを見極めながら配分を継続的に見直し、業務効率と収益性の向上につなげています。

こうしたデータに基づく経営管理体制により、環境の変化に応じた機動的な戦略立案と、適切な経営資源の配分を実現しています。

米国の関税措置や為替変動による業績への影響

投資家の皆様から質問をいただくことが多い、米国の関税措置や為替変動による当社業績への影響について当社の事業構造を踏まえて説明します。

米国の関税措置による影響

当社の事業は、物理的な製品の輸出入ではなく、デジタルサービスの提供が中心であるため、米国の関税措置の直接的な対象とはなりません。そのため、現時点では業績や業績計画への影響はありません。

為替変動による影響

当社は海外売上比率が高い一方で、売上だけでなく、サーバー利用料や広告宣伝費など海外事業に伴う費用も、日本円以外の通貨で発生しています。このため、為替変動による売上と費用の影響が一定程度相殺される事業構造となっています。

なお、高い限界利益率により、円安基調は業績にプラスで作用する傾向です。

また、海外売上や海外費用は米ドルだけでなく、ユーロや韓国ウォンなど複数の通貨に分散しており、特定の通貨の変動が業績へ大きな影響を与える構造ではありません。
このような事業構造から、米国の関税措置や為替変動が当社の業績計画へ与える影響は限定的と考えています。

参考資料② 月次事業進捗

参考資料:クリエイターサポート分野 ARR(3か月移動平均)推移(2026年6月度)

CLIP STUDIO PAINTのサブスクリプションARR(3か月移動平均)は、継続的に成長を続けています。

2026年6月時点では過去最高となる63億円に達しました。また、前年同月比の増加額も過去最高の14.8億円(前年比31%増)となり、サブスクリプション事業の成長が加速しています。

サブスクリプション契約の積み上がりにより、ARRは毎年着実に拡大しており、安定したストック収益基盤の構築が進んでいます。

参考資料:クリエイターサポート分野 チャーンレート推移(2026年6月度)

CLIP STUDIO PAINTの有料サブスクリプション契約におけるチャーンレートは、安定して推移しています。

毎年3月のバージョンアップやキャンペーンの時期には、一時的な解約や再契約の影響により変動が見られるものの、平時はおおむね4%台の低い水準を維持しています。

2026年6月のチャーンレートは4.9%となっており、ここ数年を通じて大きな変動なく推移しています。

今後も、製品価値の向上やユーザーサポートの充実を通じて、安定した契約継続率の維持に取り組んでまいります。

参考資料:クリエイタープラットフォーム分野 利用者数推移(2026年6月度)

クリエイタープラットフォーム分野では、CLIP STUDIO PAINTと連携するコミュニティサービスや作品活用を支援するサービスなどを展開しており、利用者数は着実に増加しています。

2026年6月時点の累計利用者数は1,308万人となり、1,300万人を突破しました。また、今期は新規登録者数も毎月20万人を超える水準で推移しており、利用者基盤は順調に拡大しています。

この利用者基盤は、クリエイターの「描く・学ぶ・共有する・発信する」といった創作活動全体を支えるサービスを拡充していく上で重要な基盤となります。今後も利用者の拡大とサービスの充実を通じて、クリエイタープラットフォームの成長を目指してまいります。

参考資料:分野別売上(3か月移動平均)推移(2026年6月度)

分野別売上は、月ごとの変動を平準化した3か月移動平均で表示しています。

例年3月に実施するメジャーバージョンアップにより、ツール販売(買い切り版)の売上は3月に大きく増加します。3か月移動平均のため、毎年3月に実施するメジャーバージョンアップによるツール販売(買い切り版)の売上増加の影響が5月まで反映されます。

2026年は、ツール販売(買い切り版)が前年を上回って推移していることに加え、サブスクリプション売上も過去最高を更新しており、クリエイターサポート分野全体が順調に成長しています。

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