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教育機関 事例

代々木アニメーション学院

https://www.yoani.co.jp/

『日々変化するクリエイターの環境にあわせ、マンガ科・イラスト科・アニメーター科で「CLIP STUDIO PAINT」を大規模導入』

マンガ科 大多和要先生
イラスト科 根本聡美先生
アニメーター科 竹本直人先生

代々木アニメーション学院では、最新の設備や時代の変化を取り入れたカリキュラムを実施しており、これまで13万人以上の卒業生がアニメやクリエイター業界で活躍しています。2017年には「CLIP STUDIO PAINT EX」を160ライセンス、2018年にはさらに300ライセンスを導入いただいております。その大規模導入の背景についてお伺いしました。

「環境の変化にあわせ、学生達に最新のソフトを」

ー各科の「CLIP STUDIO PAINT」導入までの経緯を教えていただけますか

 「CLIP STUDIO PAINT」の導入は、ごく自然な流れでした。

 もともと代々木アニメーション学院では、セルシスのソフトを使用している割合が高く、古くはアニメーター科での(RETAS STUDIOになる前の)旧「PaintMan」からになります。マンガ科でも「ComicStudio」を使用した授業を展開していました。

 いち早く「CLIP STUDIO PAINT」を導入したのはマンガ科です。これから先の時代を生きて行く学生達は最新のソフトを使えなければならないと思い、「ComicStudio」の後継ソフトということで導入しました。

 イラスト科では、以前は他のソフトを使用していましたが、ワコムさんのペンタブレットの種類が増え、PixivさんのようなWEB上の作品発表の場が盛んになり、描画ソフトも大きく増加するなど、デジタル創作環境が充実したことや、ソーシャルゲームの登場により、デザイナーの需要に変化が出て学生の進路の幅が増えたことなど、ここ10年の間でキャラクターイラスト業界を取り巻く環境が大きく変動したことを受け、数年前より「CLIP STUDIO PAINT」を導入しました。

 アニメーター科では、これまでは作画を中心に学んでいたのですが、現在のアニメ制作現場に大きな変化がありました。作画以降がすべてデジタル環境になり、アニメーターはファイルやフォルダの扱い方、保存形式などの基本的な内容から、画像サイズ、解像度、映像の書き出し形式など、ポストプロダクションを含めた映像制作という大きな枠組みの中でデジタルを学ぶ必要が出てきましたので、今期より「CLIP STUDIO PAINT」を導入いたしました。

「多数のアニメスタジオで「CLIP STUDIO PAINT」を導入」

ー今期は300ライセンス、しかも大多数がアニメーター科という他校でも類をみない大規模導入だと思いますが、どのような背景があったのでしょうか?

 近年アニメ業界では、デジタル作画のできる人材を募集するアニメ制作会社が圧倒的に増えてきております。デジタル作画を教育に入れるのは必然と考え、昨年、実際に複数の会社に作業環境や新人育成のポイントなどのヒアリングを行いました。多くの会社に共通していたことは、デジタル作画の新人採用活動が活発であることと、「CLIP STUDIO PAINT」 が導入されていたことでした。

 アニメ業界全体で見ても「CLIP STUDIO PAINT」は使用されているソフトの中でもシェアの多くを占めており、「Stylos」や「PaintMan」など、これまで業界で導入されてきたソフトとの親和性も高く、教える側にとってもカリキュラムへの落とし込みがスムーズなことに加え、アニメ制作現場の環境と近い状態で授業を展開できる点も大きなポイントでした。

 価格帯、ライセンス管理や入手、インストールの容易さ、サポート体制などから考慮しても、やはり「CLIP STUDIO PAINT」 一択でしたね。

「マンガ・イラスト・アニメーションの垣根を越えた「CLIP STUDIO PAINT」でスキルが広がり進路の選択肢も拡大」

ー「CLIP STUDIO PAINT」導入の効果がありましたらお聞かせください。

 現在キャラクターイラストの仕事は、完全にボーダレスになっています。イラストを描きたいマンガ科の学生、マンガも描けるイラスト科の学生などが、学科のカリキュラムの域を越えた同一のソフトウェアとして「CLIP STUDIO PAINT」を学ぶ事で、学生のスキルが広がり、将来の目標設定や進路の選択などを幅広く視野に入れる事ができるようになりましたね。

 アニメーター科でもデジタルを学ぶことで、学生のやりたいこと、知りたいこと、できることの幅が確実に広くなっており、今後の就職にも対応できる面でも、デジタルを習得することは大きなプラスだと思っています。

「アイデアの積み重ねが現場での引き出しに」

ー導入後の学生さん達の反応などをお聞かせください。

 現在、授業では「Wacom MobileStudio Pro」と「CLIP STUDIO PAINT」を使って教えています。

 マンガ科は、「CLIP STUDIO PAINT」導入前は複数のソフトを使用して制作していましたが、「CLIP STUDIO PAINT」は一連の作業を1本で行えるので、とても便利に感じているようですね。

 イラスト科でも、紙に描くように直感的に使えることが学生達は気に入っているようです。以前は「ComicStudio」のユーザーも多かったですが、今はほとんど「CLIP STUDIO PAINT」を使っています。

 アニメーター科でも「CLIP STUDIO PAINT」は当たり前に受け入れられている印象です。導入前は、「難しそう」といった声が上がるかと思っていましたが、学生達は自然に順応していますね。それこそが変化なのかもしれません。

 例えば、4月に入学したばかりの1年生が、昨年11月にリリースされたiPad版の「CLIP STUDIO PAINT」で自作アニメのレイアウトを切っていたのを見て驚きました。新しいことにどんどんチャレンジできる感覚の良さを感じました。

 デジタルの感覚を持って取り組むのはすごく大事なことで、学生同士の会話の中でも、デジタル作画の作業ベースで「ああしようか」「こうしたほうがいいよ」などの会話が増えてきていて、きっとそういった何気ないアイデアの一つ一つの積み重ねが、現場に入った際の引き出しになるのかと思います。

「「CLIP STUDIO PAINT」を通じてプロからの刺激を」

ー今後「CLIP STUDIO PAINT」やセルシスに期待することがありましたら教えていただけますでしょうか。

 「CLIP STUDIO PAINT」でも「PaintMan」のような色の変換機能があるといいですね。すべてのアニメーションの工程を「CLIP STUDIO PAINT」で完結できるようになり、より良いものになると思います。

 「CLIP STUDIO」で配布している素材なども、3D素材などを今以上に充実させて欲しいです。ユーザーが制作したモデルも多数ありますが、素材はいくらあっても足りないくらいです。

 学校という立場からは、現場の最新状況が一番早く知りたくて、一番見えにくい部分でもあります。学生が何をいつどのように学ぶべきか、どうしても間にワンクッション置いた状態になってしまうので温度感が伝わりにくく感じる事があります。

 学生がプロからダイレクトに話を聞くことができたり、指導を受けられたりすることが一番刺激になると考えていますので、そのような機会を「CLIP STUDIO PAINT」 を通じて定期的に作っていけたら良いと思っています。

ー代々木アニメーション学院様の今後の展望をお聞かせください。

 私たち代々木アニメーション学院は、卒業することが出口ではないと考え、卒業後の就職先ですぐに活躍することを教育の大前提にしています。

 業界で求められる画力や技術の水準は年々高くなっています。今求められている人材はもちろん、5年後、10年後に各業界で必要となる即戦力を育成していきたいと考えています。

 例えば、日本では作画のデジタル化が進んでいますが、海外では基本工程がオールデジタルです。今後日本の現場でもデジタル化が進むと見越し、デジタル作画にシフトするカリキュラムと、液晶タブレット約600台を教育業界で先駆けて導入しました。

 今後は、日本人の海外進出が増えていくでしょう。アニメーターであれば、世界各地の制作会社で代アニの卒業生が活躍し、日本のアニメーションの魅力を世界中に伝染させてほしいです。

  【代々木アニメーション学院について】

代アニの前身である代々木アニメーション教室が創立されたのは、1978年の6月15日。日本で初めてできたアニメの専門校で、2018年に40周年を迎えました。
卒業生は13万人以上にものぼり、現在、日本で放送されているほぼすべてのアニメ作品に代アニの卒業生が関わっています。
さらに、2016年には学院プロデューサーとして、秋元康、小室哲哉、つんく♂、指原莉乃氏が就任。
天王洲 銀河劇場を運営するほか、新大久保と西麻布の2か所でライブハウスを運営するなど、時代に合わせた最先端のカリキュラムと設備で、「今求められている人材」を育成します。

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